双曲線の漸近(直)線について
2025年9月,X(旧Twitter)で双曲線の漸近線に関する投稿を見かけた。標準形で表される双曲線の漸近線について,高校教科書の記述を検証してみる。
双曲線の標準形
双曲線の標準形は次の通りである:
$$\frac{x^2}{a^2} - \frac{y^2}{b^2} = 1 \quad (a, b > 0)$$
漸近線の導出
漸近線は,双曲線が無限遠で近づく直線である。$x \to \infty$ の極限を考えよう。
双曲線上の点 $(x, y)$ を $y = kx + c$ とおくと,$x \to \infty$ で $c \to 0$ となる $k$ を求めればよい。
双曲線の方程式より,
$$y = \pm b \sqrt{\frac{x^2}{a^2} - 1} = \pm \frac{b}{a} x \sqrt{1 - \frac{a^2}{x^2}}$$
$x \to \infty$ のとき,$\sqrt{1 - a^2/x^2} \to 1$ なので,
$$y \approx \pm \frac{b}{a} x$$
したがって,漸近線は $y = \pm \dfrac{b}{a} x$ である。
注意点
高校教科書では「双曲線は漸近線に限りなく近づくが交わらない」と書かれていることが多い。実際,双曲線と漸近線の距離を計算すると,$x \to \infty$ で $0$ に収束することが示せる。
ただし,「交わらない」というのは正確には「実数の範囲では交わらない」という意味であり,複素数の範囲では話が異なる。この点は教科書には書かれていないが,興味深い視点である。