東工大2024第2問とメルカトル図法
Googleマップを使う地球平面論者の不思議
地球が平らだと主張する人たちがいる。彼らの中にはGoogleマップを当たり前のように使っている人がいるが,これは奇妙なことである。
Googleマップで使われている地図投影法の一つがメルカトル図法である。メルカトル図法とは,球面(地球)を円筒に投影して平面に展開する方法で,経線が平行な直線になるという特徴がある。
ガウスの驚異の定理
ここで登場するのがガウスの驚異の定理(Theorema Egregium)である。
この定理は,「曲面のガウス曲率は,曲面の内在的な計量のみによって決まる」というものだ。特に,ガウス曲率は等長変換(isometry)の下で不変である。
球面のガウス曲率は $K = 1/R^2 > 0$ であり,平面のガウス曲率は $K = 0$ である。
したがって,球面を平面に等長変換することは不可能である。メルカトル図法を含むあらゆる地図投影は,球面を平面に「歪める」操作を行っており,距離や面積が保存されない。
東工大2024第2問との関係
東京工業大学の2024年入試第2問では,メルカトル図法における計量の変換を扱う問題が出題された。球面上の微小線素が平面上でどのように変換されるかを計算することで,メルカトル図法の等角性(角度を保存する性質)が確認できる。
まとめ
地球が平らであれば,Googleマップは何も歪める必要がない。しかし実際には,Googleマップはガウス曲率 $K>0$ の球面を $K=0$ の平面に投影するため,必然的に歪みが生じる。地球平面論者がこの歪んだ地図を便利に使えているという事実そのものが,地球が球体であることの傍証になっているのは,なかなか皮肉な話である。